日本薬局方-一般試験法 2.50 滴定終点検出法

滴定とは、試料に試薬を滴下し、化学反応量を測定する方法です。滴定にはいくつかのタイプがあります(酸・塩基、沈殿、錯、酸化還元)。それぞれ化学反応の形式が異なります。滴定では、化学反応を起こす試薬を試料に少しずつ加え、完全に反応が完了した時点での滴下量を知る必要があります。この完了した時点(終点)の特定は主に2つの方法があり、1つは指示薬を用いる方法、もう一つは電気的に調べる方法です。前者ではpH指示薬、後者ではpHメーターが例となります。

指示薬法では、試料に指示薬を加えます。滴定はビュレットから容量分析用標準液と呼ばれる試薬を滴下することで行います。反応終点付近で指示薬の色が変化しますので、色が変化したときの滴下量を調べ、試料中の物質量を特定します。電位差滴定法においても滴定の方法は変わりませんが、指示薬を試料に加える代わりに電位差計を試料溶液に漬けます。反応終点付近で電位差が大きく変化しますので、その点を終点とし、滴下量から物質量を計算します。電位差滴定法に用いる電極はその滴定の方法によって異なります。電気的に終点を求める方法は電位差だけでなく、電流から求めることもあります。この場合には電極間に電圧をかけます。基本的には電位差測定法とほぼ同様の方法となります。

滴定終点の求め方には2つの方法があります。基本的には滴定量-電位のグラフの変化の微分値が最大になる点を終点としますが、これを作図して求める方法と、自動滴定装置により自動計算する方法です。今では自動計算のほうが一般的であると思います(試験の現場にいるわけではないので詳細はわかりませんが)。