日本薬局方-一般試験法 2.48 水分測定法

水分測定法は、カールフィッシャー法を用いて、化学的に試料中の水分を測定する方法です。カールフィッシャー法では、水が有機塩基存在下でヨウ素・二酸化硫黄と反応することを利用し、反応に用いられなかったヨウ素・ヨウ化物イオンの量を測定することで水分量を測定します。

水分測定法には2つの方法が記載されています。一つは容量滴定法で、反応後の消費ヨウ素量を滴定で調べる方法、もう一つは電量滴定法で、反応後のヨウ化イオン量を滴定で調べる方法です。容量滴定法は、カールフィッシャー試薬を滴定し、ヨウ素が余る点を求める方法です。容量滴定法ではカールフィッシャー液をピストンで滴定し、残留ヨウ素を電極で測定します。滴定終点では電位の分極が小さくなり、30秒ほど維持されます。この終点での滴定量から水分量を計算します。電量滴定法では、電気的にヨウ素イオンからヨウ素を作成し、水と反応させ、ヨウ素が残留する電気量から水分を計算します。電量滴定法の測定器には、ヨウ素発生用の電極とヨウ素測定用の電極があります。ヨウ素発生用の電極では電気的にヨウ素イオンから電子を引き抜き、ヨウ素を作成します。電量滴定法用のカールフィッシャー液にヨウ素が追加されることで、水との反応が起こります。ヨウ素が余ると、ヨウ素測定用の電極で残留にともなう電位変化が捉えられます。この時点を滴定終点として、水分量を計算します。