日本薬局方-製剤各条 気管支・肺・目・耳・鼻に適用する製剤

気管支・肺・目・耳・鼻に適用する製剤は、それぞれ有効成分を各器官へと直接作用させるタイプの製剤です。製剤各条では、5. 気管支・肺に適用する製剤から、8. 鼻に適用する製剤に記載されています。

気管支・肺に適用する製剤は、主に有効成分を吸入して有効成分を気管支・肺に直接届けるタイプの製剤です。吸入剤と呼ばれます。吸入剤では、有効成分をエアゾール化して吸引します。エアゾールとは気体と製剤(液体のスプレーまたは固体の粉末)が混じったものです。エアゾールをつくるため、吸入剤では特別な吸引器具が必要となります。吸引剤には吸引粉末剤(固体のエアゾール)、吸引液剤(ネブライザを使って吸引するもの)、吸引エアゾール剤(圧縮ガスを用いるもの)があります。それぞれ試験方法・容器が異なります。

めに投与する製剤は、いわゆる目薬です。点眼剤と眼軟膏剤の2種類があります。点眼剤は一般的な液体の目薬で、経口液剤と似た試験法・容器を必要とします。無菌的な状態を維持する必要があり、異物の影響が大きいため、無菌試験法・不溶性異物検査法・不溶性微粒子試験法を適応します。眼軟膏剤は、目につかう軟膏剤です。皮膚に用いる軟膏とほぼ同様の製法で製造し、無菌的である必要があります。

耳に投与する製剤は、外耳・中耳に投与するものを指します。液状・半固形・用事溶解する固形の3タイプがあり、必要に応じて無菌処理します。

鼻に適用する製剤は鼻に直接有効成分を送り込むものです。点鼻剤は液体もしくは粉末の製剤で、鼻の中に噴霧して用います。噴霧する器具が必要となり、一定量を噴霧できるよう、噴霧の均一性について試験を行う必要があります。点鼻剤には粉末を噴霧する点鼻粉末剤、液体を噴霧する点鼻液剤があります。