日本薬局方-製剤各条 直腸・膣に適用する製剤

直腸に適用する製剤とは、肛門から投与して、直腸で有効成分を吸収する製剤です。坐剤、直腸用半固形剤、注腸剤の3タイプがあります。坐剤は体温で溶融、もしくは徐々に溶解する半固形のものです。体温で加熱溶融する油脂(カカオ脂など)がよく用いられます。円錐形もしくは紡錘形の形を取ります。品質試験として製剤均一性・放出性試験を行い、容器は密閉容器です。直腸用半固形剤は、肛門内や周囲に適用する、クリーム・ゲル・軟膏などの塗り薬のことです。皮膚用の半固形剤と同様の製法で製造されます。何度も投与する必要があるものには保存料を使用します。液体ではなく、適切な粘度を持つ必要があります。容器は気密容器で、製品によって水分の蒸発を防ぐようにします。注腸剤は、肛門から注入する、液体もしくはゲル状の製剤です。経口液剤と同様の製法で製造し、容器も経口液剤と同様です。

膣に適用する製剤は、膣内に投与し、有効成分を吸収するものです。膣錠と膣用坐剤の2タイプがあります。膣錠は水分に徐々に溶解する固形の製剤で、経口錠剤と同様の形・製法を取ります。試験法・容器も経口錠剤と同じです。膣用坐剤は、坐剤と同様の性質を持つ、膣に投与する製剤です。製法や試験、容器は坐剤同様です。球形もしくは卵形である必要があります。