日本薬局方ー製剤各条 透析に用いる製剤

透析に用いる製剤とは、透析に用いる液体、もしくは用事溶解して用いる固体の製剤のことです。透析に用いる製剤には2種類あり、1つは腹膜透析用剤、もう一つは血液透析用剤です。透析用剤の品質試験として、エンドトキシン試験法、製剤均一性試験法(固体のものに限る)が必要です。

腹膜透析用剤とは、腹膜透析に用いる無菌の透析溶剤です。腹膜透析用剤は体内に一度注入し、一定時間後に抜き取るため、注射剤や輸血剤と同様の試験法・容器を適応します。腹膜透析では、腹膜を透析膜とし、腹膜内液を交換することで不要な物質を体外に排出する方法です。腹膜は胃や肝臓など、臓器を覆う半透膜で、血液透析における透析膜と同様の働きを持ちます。腹膜内に腹膜透析用剤を注入し、一定時間後に取り出すことで、腹膜透析用剤に取り込まれた老廃物を体外に排出することができます。腹膜透析は自宅でも実施可能なので、日常生活とのバランスを取りやすいことが特長です。

血液透析用剤は、血液透析に用いるものです。基本的には腹膜透析と同様に、注射剤と同じ扱いをします。血液透析では、体外の人工半透膜を利用し、血液から透析用剤へと老廃物を回収します。血液透析では、血液を体外に取り出し、透析器具を通した後に体に戻します。