日本薬局方-製剤各条 錠剤

錠剤は経口投与する固形製剤の一つであり、その製造のしやすさ、服用のしやすさ、取り扱いのしやすさから、最も一般的な剤形の一つです。利用しやすい形の錠剤の形でたくさんの用途を満たすため、錠剤には多数の種類があります。錠剤には、口腔内崩壊錠(口の中で砕けて粒状になるもの)、チュアブル錠(噛んで飲むもの)、発泡錠(泡が出るもの)、分散錠、溶解錠などを含みます。一般的な錠剤は最後の2つ、分散錠や溶解錠にあたります。

錠剤は、有効成分と添加剤を混ぜ、水と結合剤などを用いて粒状にし、滑沢剤というものを加えます。この混合物を圧縮成形したものが錠剤です。圧縮成形時に、金型(臼と杵と呼ばれます)に粒がくっつかないようにするものが滑沢剤です。さらに表面にフィルムを巻いたり(フィルムコーティング錠)、糖衣にしたり(糖衣錠)することもあります。錠剤によっては層によって有効成分が異なるものや、中心部に違う組成のものが入っている、多層錠や有核錠のようなものもあります。

錠剤には品質試験として、溶出試験法、崩壊試験法を行います。容器は密閉容器で、必要に応じて防湿します。

1.1.1 口腔内崩壊錠とは、上記のとおり、口の中で崩壊・溶解する錠剤のことで、Oral Disintegrating Tablets (OD、ODT)と呼ばれます。口腔内崩壊錠は、口の中で崩壊するよう、適切な崩壊性を持つ必要があります。

1.1.2 チュアブル錠は、噛んで飲むタイプの錠剤です。喉に詰まらないよう、形状を工夫する必要があります。

1.1.3 発泡樹は、水中で発泡しながら溶解・分散する錠剤です。酸性物質と炭酸塩を配合することで、水中で二酸化炭素が発生する仕組みになっています。

1.1.4 分散錠と 1.1.5 溶解錠は、一般的な錠剤で、水に分散・溶解するものを指します。