日本薬局方-生薬関連製剤各条

生薬関連製剤各条は、生薬を用いた製剤に関する剤形を記載したものです。生薬の製剤は通常の医薬品と比較して少なく、エキス剤、丸剤、酒精剤、浸剤・煎剤、茶剤、チンキ剤、芳香水剤、流エキス剤の8つに分類されています。

エキス剤は生薬の浸出液を濃縮したもので、水飴状の軟エキス剤と、固形の乾燥液エキス剤があります。通常は浸出剤と生薬を混ぜて抽出を行い、抽出物を濃縮・乾燥することで製造します。品質試験として重金属試験法を行い、容器は気密容器を用います。

丸剤は経口投与する球形の製剤です。錠剤と同様に添加剤と生薬を混ぜ、球形に成型します。必要があればコーティングを行います。品質試験として崩壊試験を実施し、容器は気密もしくは密閉容器を用います。

酒精剤は生薬に含まれる揮発性有効成分をエタノールに溶解したものです。エタノールが濃すぎて利用しづらい場合には水で濃度を調節します。エタノールが燃えるので、火気を避けて保存します。容器は気密容器です。

浸剤・煎剤は生薬を水で抽出したものです。浸剤は熱水を入れて加熱、煎剤は水を入れて半量まで煮詰めて作ります。容器は気密容器です。

茶剤はその名の通り、用事に水・湯で抽出して利用するものです。生薬を粗く切り、紙や布の袋にいれて提供されます。容器は気密容器または密閉容器を用います。

チンキ剤は生薬をエタノールで浸出したものです。製法には浸出法とパーコレーション法の2つがあり、酒精剤と同様にエタノールの濃度を水で調節します。容器は気密容器です。

芳香水剤は精油・揮発性物質を飽和させた、澄明な液体のものです。ココでの精油・揮発性物質は有効成分を指します。水と混ぜ、濾過して澄明な液体を得ることで製造します。容器は気密容器です。

流エキス剤は1mL中に生薬1gの可溶化成分をふくむものです。チンキ剤と同様に浸出法とパーコレーション法で製造します。品質試験として重金属試験法を行い、容器は気密容器を用います。