日本薬局方-製剤各条 概要

製剤各条とは、剤形(医薬品の形と種類)に共通する定義・製法・試験法・容器・包装・貯法を示したものです。剤形には大きく分けて11の分類があり、さらに個別に小分類があります。

経口投与する製剤は口から飲んで、消化管から有効成分を取り込むものです。溶出の速度により、即放性製剤、腸溶性製剤、徐放性製剤の3つに分類されます。経口投与する製剤は摂取が容易であるため、その種類もたくさんあります。
口腔内に適応する製剤は、口の中で有効成分を溶かし、口腔で有効成分を吸収するものです。口の中に長く保持することで、吸収量を高めています。
注射により投与する製剤は、血中に直接注入する無菌製剤です。汚染が起きた場合に人体への影響が大きいため、規格や試験が厳密に決められています。
透析に用いる製剤は、人工透析に用いられるものです。体内の老廃物を製剤中に回収します。透析には腹膜透析と血液透析の2種があり、腹膜透析用剤は体内に一度入れるため、汚染の影響が大きいものです。
気管支・肺に適用する製剤は、空気とともに吸い込んで、気管支や肺で有効成分を吸収するものです。吸引粉末剤、吸引液剤、吸引エアゾール剤などがあり、いずれにおいても吸引用の器具を用います。
めに投与する製剤は、いわゆる目薬です。無菌性が保たれていることが求められます。
耳・鼻に投与する製剤は、その名の通り、耳や鼻から有効成分を吸収するものです。鼻に投与する製剤では、気管支・肺に適用する製剤と同様に、専用の補助器具を用いることが多くなります。
直腸に適用する製剤は、肛門から投与して、直腸で有効成分を吸収するものです。体温で溶けやすい油脂や、ゲル状のものが多くなります。膣に適用する製剤についても、直腸に適用する製剤とほぼ同様です。
皮膚などに適用する製剤は、皮膚に塗布、貼付し、有効成分を皮膚から吸収するものです。経口投与型の有効成分を皮膚に貼付して吸収し、全身への作用を期待する、経皮吸収型製剤も皮膚に適用する製剤にあたります。