日本薬局方-経口投与する製剤 錠剤以外の製剤

経口投与する製剤には、錠剤の他にカプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤などがあります。

カプセル剤は、有効成分と添加剤を混ぜ、カプセルに充填したものです。カプセルには硬いもの(ゼラチンなどでできている)と、柔らかいもの(ゼラチンなどにグリセリンソルビトールなどを加えたもの)があり、それぞれ硬カプセル剤、軟カプセル剤と呼ばれています。品質試験は錠剤と同様に製剤均一性・溶出試験・崩壊試験を実施し、容器は密閉容器で、必要に応じて防湿します。

顆粒剤は有効成分と添加剤を粒状に成型したものです。顆粒剤と細粒剤があり、細粒剤の方が細かい粒でできています。試験・容器は錠剤・カプセル剤と同じです。顆粒剤のうち、水中で発泡するものを発泡顆粒剤、粒度が更に細かいものを散剤と呼びます。

経口液剤は液状・流動性のゲル状の製剤です。経口液剤にはエリキシル剤、乳剤、懸濁剤、リモナーデ剤の4種類があります。変質しやすい場合には用いる時に(用時)調製します。品質試験として製剤均一性試験を行います。容器は気密容器で、水分・揮発成分が飛ばないようなものである必要があります。エリキシル剤はエタノールと糖類・甘味料を含み、澄明なもの、懸濁剤は微粒子化した有効成分を水と油で懸濁したもの、乳化剤は懸濁剤と同様で乳化したもの、リモナーデ剤はエタノールを含まないエリキシル剤と同様のものです。これらのうち、懸濁剤と乳化剤には溶出試験が必要です。

シロップ剤は糖類・甘味料を含む、粘調の液体もしくは固体の製剤です。固体のものはシロップ用剤(もしくはドライシロップ)と呼ばれ、使用時に水に溶かして使います。液体のシロップ剤についての試験・容器は経口液剤と同様です。シロップ用剤には顆粒剤と同様の試験・容器が必要です。

経口ゼリー剤は流動性のない、成型したゲル状の製剤のことで、ゲル基剤を加えて製造することでゼリー状にしています。品質試験として製剤均一性試験・溶出試験を行います。容器は経口液剤と同様です。