局所皮膚適用製剤の後発医薬品のための生物学的同等性試験ガイドライン 1

局所皮膚適用製剤の後発医薬品のための生物学的同等性試験ガイドラインは、経皮吸収型製剤(有効成分が全身循環血流に入るもの)における先発製剤と後発製剤の同等性を担保するための生物学的同等性試験について定めています。1では皮膚薬理動態学的試験について記載します。

標準・試験製剤の選択については、基本的に後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドラインと類似していますが、溶出試験の代わりに、皮膚に適用する製剤の放出試験法を用います。繰り返しは6以上で、中間の溶出性をもつものを選びます。
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試験における同等性の許容域については、試験製剤・標準製剤の平均値の比を取り、作用が強い場合は対数正規分布を仮定した場合に0.80~1.25、正規分布を仮定したときに-0.20~0.20の範囲、それ以外ではやや広い(0.70~1.43もしくは-0.3~0.3)の範囲に入る場合同等とします。生物学的同等性試験としてガイドラインには7種記載されています。7種のうちから最適な試験方法を選択し、採用することとされています。

被検者は試験に適した健康な皮膚の状態にある志願者とされています。適用部位に関しては、背部・胸部・前腕部などから選択し、物理・化学的損傷を避け、適用前に界面活性剤で洗浄し、2時間以上放置してから適用します。試験には条件が設定されており(覆いの有無、時間や量・面積、日周変動)、医薬品の性質に従って適切な条件を設定する必要があります。適用法は手順を文書とします。

例数はばらつきを考慮して設定します。ばらつきが大きくなる場合には複数適用部位の値を平均して利用する方法などを取ります。

皮膚薬理動態学的試験は角層内の薬物量から同等性を評価する方法です。薬物適用部位の角層を粘着テープで剥がし、剥がれた角層内の薬物量を測定します。作用部位が角層より深部ものものに適用します。本試験の前に予試験で投与方法の適切性、抽出・分析法のバリデーション、定常状態に達する時間の検討、結果のばらつきを繰り返し数、例数などの参考にします。本試験では予試験で検討した結果を利用し、適切な系を組み、角層の剥離量・薬物量を定量します。同等性は結果の90%信頼区間から求め、原則対数変換します。