ICH E19 安全性情報収集の最適化 1

ICH E19は安全性情報収集の最適化についてのガイドラインです。ある程度安全性情報を収集した後、特定の安全性情報のみを収集したい場合に効率化した安全性情報収集を行う方法について説明されています。ターゲットを絞った安全性情報収集を実施する場合には、すでに十分な安全性情報が取れていることをあらかじめ規制当局と合意しておく必要があります。省略する安全性情報の種類としては、重篤でないもの、日常的な研究所での試験結果、同時治療による影響の情報、身体検査や心電図などです。一方、死亡例や重篤な危害事象、治療が必要となる危害事象、研究所での異常事象、過剰処方、妊娠や、注意・検証が必要となる危害事象・バイタルサインなどを省略することはできません。

ベースラインデータとは、被験者の除外・採用を決定するためのデータを指します。被験者の採用を決定するためのものなので、選択的に安全性情報を収集する場合にもデータを取る必要が生じます。選択的データ収集においては、科学的に正当化する理由付けが必要となります。便益-リスク評価、暴露の程度(低用量・短期間)などが選択的な安全性情報収集を考慮する上での条件となります。安全性情報収集を省略し、症例報告書に記載しない場合にもモニタリングは通常通り実施します。