ICH S11 小児治療用医薬品の非臨床試験 4

ICH S11は小児治療用医薬品の非臨床試験についてのガイドラインです。4では副次エンドポイントについてまとめています。

副次エンドポイントとして、その他の成長要素の測定を設定します。頭部-臀部の長さ、体長(鼻から尾まで)、体高を測定します。げっ歯類以外ではレントゲン観察が有用とされています。同様に骨の検証も副次エンドポイントとなります。骨の体積、形態、比重や、血漿・尿中の骨に関するバイオマーカー、組織形態学的測定などを含みます。

臨床病理学的観察として、血漿や血液の化学的性質等も追加測定します。尿検査・血液の凝固性などを測定するようです。サンプルの取れる量が少ないため、エンドポイントを増やすと動物の追加が必要となります。そのため、必要最小限のパラメータのみを測定することとされています。器官や組織に特別な懸念がある場合には、器官や組織の形態を免疫染色等の特異的染色法、電子顕微鏡、組織形態学的検証、イメージングなどを用いて評価します。

JASでは通常眼瞼反射、検眼鏡検査等は加えませんが、目への毒性の可能性があれば追加検証します。中枢神経系(CNS、Central Nervous System)については、JASで検証可能かどうか考慮した上で、必要であれば実施します。臨床観察、行動検査、記憶試験などを実施し、神経系の組織病理学的解析を含めることとなります。

生殖器官への影響は副作用の回復過程を含め検証します。いつ投与処理を行い、結果をいつ解析するのかが重要となります。ホルモンへの影響の解析が推奨されています。免疫への影響の評価はS8に従い実施します。PNDのラットでのT細胞依存の免疫反応などを検証することで調べます。