ICH M3 非臨床安全性研究 4

ICH M3は非臨床試験(安全性研究)についてのガイドラインです。3では小児臨床、免疫毒性、光安全性、依存性の内容をまとめています。

小児臨床研究では、成人の安全性研究の結果を反映する可能性は高くなりますが、小児特有の疾患では成人での結果がない場合もあります。小児臨床研究前には動物での薬理学・遺伝毒性研究を完了させておくこととされています。生殖毒性研究も重要であるため、検証を必要とします。成人・動物実験で不十分な場合には、幼動物の使用を検討します。げっ歯類の検証で十分な場合が多いとされていますが、短期間の小児への薬力学的影響の検証には向いていないようです。長期投与研究前には幼動物での検証は完了させておく必要があります。発がん性が疑われる薬物では、(おそらく幼動物実験、小児臨床かもしれませんが、よくわかりません)実施しないことが推奨されているようです。

免疫毒性研究はICH S8に従い実施します。新薬では評価が必要となり、第3相臨床試験の前に実施します。光安全性に関しては、有効成分の光化学的特性、光による毒性の発現、有効成分の体内での局在、臨床・非臨床での観察結果により実施を検討します。中枢神経系に影響のある有効成分では、依存性の検証が必要となります。臨床試験前に依存性をげっ歯類で検証します。複数種での検証を必要としない場合にはげっ歯類での検証のみで十分となるようです。その他の毒性として、分解産物・類縁物質などの毒性はQ3に従い検証します。類縁物質の毒性研究は基本的には第3相まで、毒性の懸念がある場合には第2相の臨床試験までに実施します。配合剤の毒性研究は、毒性の兆候がなければ推奨されません。実施は第3相臨床試験前に行います。臨床初期段階の有効成分の配合剤では、早期の非臨床研究が推奨されているようです。非臨床研究は90日投与と同等の条件で、哺乳類1種で実施し、予想外の結果が得られた場合にはもう1種で検証します。