日本薬局方-一般試験法 2.23 原子吸光光度法

原子吸光とは、高温で原子化させた試料の光吸収を測定する方法です。原子吸光は原子により吸収する光の波長が異なり、さらに光吸収と原子の濃度に相関があります。吸光率(I/Io)の対数にマイナスをつけたものを吸光度と呼びます。この吸光度は光が試料を通った長さ(光路長)と試料の濃度に比例します。この関係は後ほど説明する紫外可視光吸光光度測定法とも共通しています。

試料の原子化にはいろいろな方法がありますが、基本的には加熱して気化します。フレーム方式では、フレームに試料を噴霧し、原子化します。電気加熱方式では、電気加熱炉で加熱、還元気化法では還元剤で還元後に加熱気化、加熱気化法はそのまま加熱して気化する方法です。どの方法においても帰化した原子の光吸収を測定します。原子の量の定量にはガスクロマトグラフィーと同様に、検量線法・標準添加法・内標準法を用います。