日本薬局方-一般試験法 1.02 アンモニウム試験法

アンモニウム試験法とは、医薬品に含まれるアンモニウムイオンの量を測定する方法です。医薬品中のアンモニウムイオンを蒸留によりアンモニアとして気化し、水中でアンモニウムイオンとして捕捉します。蒸留法には大気圧下で行うものと、減圧下で行うものの2種類の設定があります。おそらく濃度が低い場合には減圧を用いるのだと思われます。捕えたアンモニウムイオンは、標準液との試薬の呈色の比較でその量を調べます。

蒸留装置の設定は2つあります。いずれにおいても試料は丸底フラスコに入れ、突沸防止用のガラス管を漬けます。減圧で行う蒸留ではアスピレーターにより減圧を行います。減圧する方法では60℃で水浴、大気圧で蒸留する方法では毎分5-7mL蒸留液が得られるように温めます。採取側にはホウ酸水溶液を入れます。アンモニウム定量はこのホウ酸水溶液にアンモニアを吸収させたもので行います。

アンモニウムイオンはフェノールの呈色で調べます。ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウムは直接反応には用いられないので、おそらく触媒として作用するのだと思われます。アンモニアと反応したフェノールはジオキシフェニルアミンをへてインドフェノールとなります。このインドフェノールが青色を呈します。インドフェノールの呈色を試液と比較液で比べることで、医薬品中のアンモニウム量を特定します。