日本薬局方-一般試験法 1.07 重金属試験法

多くの重金属は人体にとって有害です。医薬品への重金属の混入を調べる試験が重金属試験法です。重金属試験法は重金属の限度試験で、重金属の含量が規格上限を超えないことを確認します。重金属の基準として鉛の量を用い、重金属量を鉛の量で換算して調べます。試験では酸性溶液に硫化ナトリウム試液を加え、その呈色を鉛の比較液と比較することで調べます。

検液の調整法として、4つの方法が日局に記載されています。比較液の調整法は試験液と同じ方法を用い、試料の代わりに鉛標準液を用います。基本的には第1法が比較的溶けやすい試料、第3法が溶けにくい試料を対象としており、第2法はその間になります。第4法はやや特殊で、かなり溶けにくいものを対象にしているようですが詳細は不明です。試験方法はすべての調整法で同じで、検液に硫化ナトリウム試液1滴を加え、5分放置します。放置後に白色背景で観察し、比較液より呈色が濃くないことを確認します。呈色の原理はよくわからないのですが、硫酸呈色物試験法<1.15>というものもあるため、硫酸で呈色を示す重金属が多いものであると推測されます。