日本薬局方-一般試験法 2.61 濁度試験法

濁度とは、純度試験の溶状における、濁りの度合いの指標のことです。測定方法はたくさんあり、目視や透過光、散乱光強度などを測定することで示すことができます。

目視法では、白色微粒子の濁りを目で確認する方法です。標準としてホルマジン乳濁標準液の希釈系統を用います。試料は平底試験管に底から40mm取り、黒色背景で真上から観察し、比較します。

光電光度法は、光の散乱・透過を測定することで、客観的に濁度を測定する方法です。濃度と濁度の間の検量線が必要となります。着色試料では透過散乱法が正確な値を示す傾向にあるようです。

透過光測定法は液体の透過前、透過後の光強度を測定、比較することで濁度を求める方法です。吸光光度計を用いて測定を行います。着色や光吸収の影響を受けやすい方法です。測定は660nm付近の赤色光で測定します。

散乱光測定法では、懸濁粒子により散乱された光を測定する方法です。この散乱をチンダル現象と呼びます。濁度が低いときに定量性が高くなります。逆に濁度が高いと、散乱が粒子により妨害されるため、精度が下がります。

透過散乱法は透過光・散乱光の両方を測定し、その比から濁度を求める方法です。透過散乱法は試料の着色の影響を受けにくくなります。透過光・散乱光は同時に積分球と呼ばれる、内部が白色の球を利用して測定します。

濁度の規格として、NTU(Nephelometric Turbidity Unit)という単位を用いることがあります。NTUはタングステンランプの90±30度の散乱光を測定したときの単位です。860nmの光源を利用し、90±2.5度の散乱光を測定したときにはFNU(Formazin Turbidity Unit)と呼ばれます。