日本薬局方-一般試験法 2.45 屈折率測定法

屈折率とは、大気と物質の境界で、光が曲がる割合のことを指します。屈折率には光の波長と温度、大気圧が影響を及ぼします。大気を真空にしたときの屈折率を絶対屈折率とよび、Nで表します。

屈折率は等方性の物質で固有の値を示すため、物質の純度や2物質の混合物の組成などを調べる目的で用いられます。屈折率の測定には、アッベ屈折計を用います。アッベ屈折計は臨界角法と呼ばれる方法を用いた測定法で、試料をプリズム上に置き、試料とプリズムの間に光を当てます。光は試料で屈折し、プリズム内へと進行します。プリズムの端まで来ると、プリズムと空気の屈折率により光は再度屈折します。このときの屈折角θAと、プリズムの面の角度θαから試料の屈折率を求めます。

測定条件は局法に指定されており、ナトリウムスペクトルD線(590 nmの光)を用い、20℃で測定することとなっています。アッベ屈折計の精度についても指定があります。