日本薬局方-一般試験法 2.25 赤外吸収スペクトル測定法

赤外吸収スペクトルとは、赤外線が試料に吸収される度合いを各波長で測定したものです。一般的に横軸に赤外線の波長、縦軸に光吸収を取る曲線で示されます。これは紫外可視吸光光度法の吸光スペクトルと同様です。

装置には分散型とフーリエ変換型の2種類があります。分散型は波長の異なる赤外線を連続的に当て、吸収を測定する方法、フーリエ変換型は全波長を一度に当て、フーリエ変換で波長ごとの吸収に変換する方法です。

水は赤外線を吸収するため、紫外可視吸光光度法のように溶液での測定ではなく、固体の赤外光吸収を測定するのが一般的です。普通は試料を薄層にして準備します。調整に用いるのは0.04 mm厚のポリスチレンです。ポリスチレンを用いて分解能・透過率・波数の再現性を調べます。調整後、薄層に広げた試料での赤外光吸収を測定します。この際、測定するのは反射光の吸収で、反射の仕方は試料により異なります。気体試料を用いる場合には、原子吸光光度法、紫外可視吸光光度法と同様に光路長での吸収を測定することになります。試料を薄層に調整する方法には様々なものがあり、それぞれ日局に記載された方法で実施します。確認方法として、スペクトルを標準品と比較する、参照スペクトルと比較する、吸収波数から確認するなどの方法があります。これらの方法で、試料が標準品、もしくは目的とする物質と同一であるかどうかを判断します。