日本薬局方-一般試験法 2.24 紫外可視吸光光度測定法

紫外・可視吸光光度とは、波長200~800 nmの光が物質(普通は液体)に吸収される度合いのことです。紫外光は200~400 nm、可視光は400~750 nm、近赤外光は750~800 nmの波長を持つ光のことを指します。光吸収を測定するため、液体の試料は透明石英のセルと呼ばれる、普通は1cm角の容器に入れます。このセルにある波長の光を当て、出てくる光の強さを調べることで吸収された光の割合を調べます。

光の吸収と溶液の濃度には相関があります。原子吸光光度法で示したのと同様に、光源光度で透過後の光度を割り、対数をとって負にしたものを吸光度と呼びます。この吸光度は物質に固有の比例定数、光路長(普通は1cm)、物質の濃度に比例します。したがって、吸光度を求めることで物質の濃度を計算することが可能です。光路長が1 cm、1 M溶液の比例定数をモル吸光係数と呼びます。これはkの比例定数に当たります。

吸光光度測定法では、一つの波長の光で吸光光度を測定し、濃度を計算することと共に、吸収スペクトルを測定することで物質の特定も行います。吸収スペクトルとは、光の波長を連続的に変えながら物質の吸光度を測定し、グラフとするものです。横軸に波長、縦軸に吸光度を取るのが一般的です。装置としては吸光光度計を用います。光源、セル、検出器からなります。濃度の計算には標準スペクトルを用いる方法、検量線を用いる方法の2種類があります。