日本薬局方-一般試験法 6.07 注射剤の不溶性微粒子試験法

注射剤の不溶性微粒子試験法とは、注射剤に混入した10、25μm以上の不溶性の微粒子数を調べる試験法です。パーティクルカウンタを用いる第1法と、顕微鏡を用いる第2法があります。基本的に第1法を用いますが、乳剤・コロイドなどの注射剤には第2法を適用します。

第1法は液中パーティクルカウンタを用いて、微粒子の遮蔽による光の減衰を測定する方法です。パーティクルカウンタはあらかじめ5,10,25μmのポリスチレン粒子でえ校正します。校正には3つの方法がありますが、販売されている自動パーティクルカウンタであれば普通は自動的に実施する手順があると思われます。試験中には微粒子の混入をできるだけ防ぎます。

注射剤の容器を20回上下反転し、混和した後、内容液をとり、気泡を抜きます。液は25mL必要で、足りない場合は10個以上の注射剤の内容物を集めて25mL以上とします。粉末の即時溶解型注射剤は試験用水に溶解した後に試験に用います。5mL資料を4画分採取し、10、25μm以上の微粒子数を測定します。測定結果が規定値内なら適合、規定値を超えた場合には第2法で試験を行います。

第2法はフィルターで微粒子を捕えた後に、微粒子数を顕微鏡で数える方法です。顕微鏡は双眼、100倍前後のものを用い、接眼レンズには測微計と呼ばれる、微粒子数を数えるための板を挿入します。試料は第1法と同様に準備し、
1.0μm以下の孔径を持つメンブレンフィルターに全量通します。メンブレンフィルターを取り出し風乾した後、フィルター上の微粒子数を顕微鏡で観察します。第2法においても規定値内なら適合となります。規定値外のときの手順はないため、基準適合しない場合は製品としては不適となると思われます。