ICH S3B 多回投与における薬物の組織分布研究

ICH S3Bは多回投与における薬物の組織分布についてのガイドラインです。組織への薬物の分布の理解は代謝などの動態、機能部位の理解に重要であり、毒性・薬理学研究のデザイン構築に有用な情報をもたらします。このガイドラインでは多回投与での動態研究の方法を提供するとされています。

単回投与での動態だけでなく、多回投与での動態を測定する場合には、組織での半減期血漿より明らかに長いとき、血中濃度が単回投与より明らかに高くなるとき、多回投与時に組織に病理症状、危害が観察されたとき、部位特異的な薬物輸送を用いる場合などがあげられています。多回投与での組織への薬物動態は、放射性同位体などの感度の高い測定方法を用いて行います。用量・動物種は適したものを用い、単回投与の動態を基に投与期間を決定します。投与期間は普通1-3週間で、血中濃度が安定することを指標に期間を決定するとされています。過剰蓄積が見られた場合にはその組織での薬物代謝を調べることで、蓄積の原因を追求するようです。