日本薬局方-一般試験法 3.01 かさ密度及びタップ密度測定法

かさ密度とタップ密度測定法は、粒体・粉体の見かけの密度を測定する方法です。かさ密度は試料を緩やかに充填して測定し、タップ密度はその名の通り、容器をタップすることで密に充填して測定します。

かさ密度とは、緩やかに充填した間隙を含む粉粒体の体積あたりの重さ(密度)のことです。国際単位系では立方メートル当たりのキログラムで表しますが、日局では一般的に立方センチメートル当たりのグラムで表します。かさ密度の間隙は充填するたびに変化し、ときに密、ときに疎になるため、高い再現性を得ることは困難です。したがって、複数回測定し、平均を取って値とするのが一般的です。かさ密度の測定法には3つの方法があります。第1法はメスシリンダーで測定する方法で、あらかじめふるいにかけた試料100gを圧密せずに250mLシリンダーに入れ、表面を均し、その体積を求めます。第2法はボリュメーターを用いる方法で、25-35mLをボリュメーターの装置に通し、試料用カップで受けます。ヘラで試料用カップの上端ですり切り、カップで受けた質量とカップの体積から密度を求めます。第3法はステンレス製計量カップを用いる方法です。ボリュメーターの試料用カップと同様に、あらかじめ体積がわかっているカップに粉体をゆるく入れ、すり切ります。試料の質量を測定し、かさ密度を計算します。

タップ密度とは、粉粒体を機械的にタップし、間隙を減らして測定する見かけ乗の密度のことです。タップにより体積が減らなくなった時点での体積を利用して密度を計算します。タップ密度の測定方法も3種類あります。1つはタッピング装置を用いる方法で、カムを利用して振動を作り、第1法で利用したメスシリンダーをタッピングする方法です。500回、1250回タッピングして体積を測定し、体積の差が2mL以下なら1250回の体積を利用して密度を計算します。2mL以上であればさらに1250回タッピングし、差が2mL以下になったときの体積を用いて密度を計算します。第2法は第1法とほぼ同じで、いまいち差がよくわかりません。第3法はかさ密度の第3法で用いたステンレス製の計量カップを用いる方法です。カップの上に円筒を乗せ、粉粒体を足します。円筒を乗せたまま200回タッピングしすり切り、さらに400回タッピングします。タッピングしてすりきったときの質量の増加が2%未満になるまでこれを繰り返します。

かさ密度とタップ密度の比のことをHausner比と呼びます。Hausner比は粉体の圧縮性・流動性の指標となり、流動性が高い粉体ほど1に近くなります。流動性が低い粉体では大きくなる(タップすると体積が大きく減る)傾向があるようです。