医療機器のクラス分け

医療機器は、その侵襲性や生命に与えるリスクによりクラス分けされ、クラスにより規制が異なります。クラス分類はGHTFに規定されている方法によって分類されています。日本の薬機法では、人体へのリスクがほぼ無い一般医療機器(クラスI)、人体へのリスクがありうる管理医療機器(クラスII)、人体へのリスクが比較的大きい高度管理医療機器(クラスIIIとIV)に分類されています。さらに、専門的な保守管理が必要な理療危機は特定保守管理医療機器、設置や組み立てを管理する必要があるものは設置管理医療機器とされています。この特定保守管理医療機器と設置管理医療機器はクラス分類とは独立に定義されているようです。

日本の医療機器のクラス分けはGHTF SG1に従って規定されているとされています。このGHTF SG1では、リクスが低いクラスA、人体へのリスクがやや低いクラスB、人体へのリスクがやや高いクラスC、人体へのリスクが高いクラスDの4分類とされており、日本の医療機器と同様のクラス分類とされています。クラスがAからDに近づくにつれ、厳密な規制が必要とされます。ただし、いずれのクラスにおいてもQMSの適用は必要となります。

非侵襲的な医療機器では、皮膚に触れる部分における侵襲性によりクラスが分類されます。皮膚を覆うものはクラスA、傷口の環境に影響するものはクラスB、ひどい傷ややけどなどの治療を目的とするものはクラスCとなります。液体や気体を介した侵襲性についても評価し、液体や気体を吸い取るだけのものはクラスA、血液・体液に干渉するものはクラスB、輸液バッグはクラスCとなります。同様に血液や体液との干渉性によるクラス分けもあり、組成に影響するとクラスC、気体や熱の交換を行うものはクラスBとされています。

侵襲性の医療機器では、侵襲度と侵襲の時間によりクラスが分けられます。体の開口部(鼻や口)に短時間触れるものはクラスA、1時間以上触れるとクラスB、30日以上触れるものはクラスCとなります。手術では、短時間使用して、使い捨てるものがクラスA、使い捨てないものが暮らすB、ほとんどの手術用機器はクラスCとなり、特に侵襲性の高いものはクラスDとされます。埋め込み型においても同様に侵襲度と侵襲の時間が重要となり、長期埋込み型はほぼクラスC、歯科系のみクラスBとなりうる、生命維持に必須となるものはクラスDとなります。

電力などの供給を伴う医療機器にもクラス分けのルールがあり、電力供給があるものは最低クラスB、人体へのリスクがあるものはクラスCとなります。診断機器や人体から吸引するタイプのものはクラスB、生命維持に必要な診断機器やモニターはクラスCとなります。人体から吸引するばあいにも、リスクが大きいものはクラスCとなります。詳しくはGHTF SG1に記載されているフローチャートを確認し、クラスを判断するのがよいとされています。