ICH S5 生殖・発生毒性の検出 3

ICH S5は非臨床研究における生殖・発生毒性研究(DART: Developmental and Reproductive toxicity)についてのガイドラインです。3では試験システムの選択についてまとめています。ココでの試験システムとは、使用する動物種を指します。DARTで汎用する哺乳類の種類と汎用しない動物の使用条件を定めています。

汎用の動物を用いた試験では、完全な一連の毒性研究を実施すれば、追加の動物は必要ないとされています。最も汎用される動物はラットで、マウスを使用する場合も多いようです。EFD(Embryo-Fetal Development、胚と胎児の発生)の追加研究としてウサギを使用することも一般的であるようです。

予防用・治療用ワクチンの安全性検証では、抗体抗原反応を示す種を用いて検証を行います。ウサギ、ラット、マウスが最も一般的に用いられ、通常は1種での検証を実施します。

汎用しない動物種も検証に使用可能ですが、利点・欠点を明らかにした上で使用することとされています。生物学的製剤についてはS6で使用可能な種を定めるとされています。

病状を示す動物種(おそらく変異体を含みます)、遺伝子組み換え動物の使用も毒性の理解に有用です。健康な個体でわからないことについては病状を示す動物で検証します。遺伝子組み換え等の使用は薬理学的に説明し、実験系(使用する変異体・組み替え体のタイプを指すと思われます)を適切に構築する必要があります。動物間での病理状態の差の影響について考察を加えます。