ICH M2 電子情報

ICH M2は電子情報(electronic standards)についてのガイドラインです。M2は電子申請やその他の電子情報の取り扱いから始まって、様々な変遷のすえ、副作用・安全性情報の電子報告に関するもの(R3)となっているようです。M2のうち、電子申請として扱う予定だったものはM8(eCTD)に移行になり、安全性情報の扱いについては外部の標準化機構(ISO、HL7、CENなど)で検討されているようです。M2のEWG(Expart working group)。は引き続き電子情報の取り扱いについて検討しており、eCTDや安全性情報の電子化にも関わっているようです。

M2(R3)は安全性情報の電子情報伝達に関するガイドラインとされており、医薬品の規制上のガイドラインというより電子情報のフォームやフォーマットを決める形になっています。安全性情報はイエローペーパー(イエローレター、ブルーレターと呼ばれるものだと思われます )の他、オンラインでの情報の取り扱いも一般的となっています。この安全性情報については、ISO 21731:2006で定義された形でやり取りすることになっています。安全性情報はXMLというファイル形式で記載されます*。XMLの形で標準化されることで、安全性情報を国際的に共有することを簡便化しています。

XMLファイルはC-Hのカテゴリに分けた形で情報を保持しており、個々の情報もいくつかのISOにより標準化されたものになっているようです。このようなデータ形式に関する情報は情報管理やITで用いられます。規制・薬事上では安全管理に係る職員以外にはほぼ触れることがないものだと思われます。


*余談ですが、現在のWordファイル.docxやExcelファイル.xlsxはXMLファイルを集めたZipファイルになっており、XMLは文書のフォーマットとしては一般的なものです。.docxファイルを.zipに書き換え、展開するとXMLが保存されている事がわかります。