ICH Safety Guidelines 概要

ICH Safety Guidelinesは医薬品の承認申請に必要な副作用研究に関するガイドラインです。ICHにはS1からS12までのガイドラインがあり、S11までがガイドライン策定済みです(プレゼンテーションではS11は未策定となっていますが、2020年4月に策定済みです)。このプレゼンテーションは題とその説明を読みながら作成したため、不明瞭であったり、不正確であったりします。今後ガイドラインを一つづつ読みこんでいきますので、詳細はそちらを参考にしてください。

ICH S1は発がん性研究、S2は遺伝毒性、S3は薬物動態と副作用に関するガイドラインです。基本的には未承認の新規有効成分に関する承認申請のための研究について述べられていると思われます。ICH S4は毒性・副作用研究に関するガイドラインで、動物実験における持続投与の影響についての研究に関して記載されているようです。S5は生殖毒性・胎児毒性の研究に関するガイドラインです。

ICH S6は生物学的製剤における臨床試験前安全性評価についてのガイドラインです。臨床試験時の安全性を十分に確保することが目的だと思われます。生物学的製剤による臨床試験では免疫製剤の事故(TGN1412)が有名ですが、ガイドライン策定は1997年、この事故は2006年なので、関連して制定されたものではないようです。ICH S7は薬理活性に関する研究のガイドラインで、QT時間延長(心電図のQ波とT波の間隔が有効成分により伸びること、不整脈の原因となる)の検証についての評価法についてもこのガイドラインで説明されています。S8は免疫毒性研究、S9は抗がん剤の非臨床研究に関するガイドラインです。ICH S10は医薬品の光安全性(光に応答した毒性がおこらないこと)の評価法に関するガイドラインです。

ICH S11は小児医療用医薬品開発における非臨床試験についてのガイドラインで、上述のとおり2020年4月に策定され、各国での規制ガイドラインとして整備されている過程にあるもののようです。ICH S12は策定中のガイドラインで、遺伝子治療の生物動態に関する非臨床試験について記載されるようです。

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