日本薬局方-一般試験法 2.54 pH測定法

pHとは、水素イオン濃度の対数をマイナスにとったものです。水は一定の割合で電離し、水素イオン、水酸化物イオンになります。この水素イオンと水酸化物イオンの積は1.0x10の-14乗になります。このうち、水素イオンのみを対数に取り、マイナスを取るとpHになります。pHが高いほど水素イオン濃度は低く、水酸化物イオン濃度は高くなります。逆にpHが低いほど水素イオン濃度は高く、水酸化物イオン濃度は低くなります。

pHの測定は、ガラス電極を用いて行います。ガラス電極における試液と標準液の起電力の差から、pHを計算します。pHには温度依存性があるため、試験によって規定された温度で測定します。pHの標準液として、シュウ酸塩、フタル酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、水酸化カルシウムを用いることが日局に規定されています。調整法も記載されていますが、一般的にはpH標準液は調整済みのものを購入するものだと思われます。

pHの測定装置はpH計(pHメーター)です。pHメーターは電極と指示部からなり、電極にはガラス電極と参照電極があります。2つの電極間での試料の起電力を測定し、標準液と比較・計算することでpHを指示部に表示します。pHメーターの利用前には、測定誤差が小さいこと、あらかじめ標準液で校正していることが必要です。